『エミリー・ローズ』はホラーではない

 『エミリー・ローズ』を観る際に一つ不安がありました。本作は法廷劇を軸にした映画なのに、まるでホラー要素がメインの映画のように宣伝しているので、普段映画を観ない客層が「きゃーきゃー」と楽しめるイベントムービーと勘違いして観に来て、結果場内が騒がしくなって落ち着いて観れないのでは?と予想したから。不安は残念ながら的中。かさかさ、ひそひそ、うるさくて観賞するのがとても疲れました。なんせ2時間を超える上映時間の半分以上はホラー要素のない法廷劇だから、お化け屋敷的なものを期待して観に来ていた人は集中力が続かなかった様子。

 裁判が日常の身近にあるアメリカでは法廷劇は人気のあるジャンル。しかし日本では法廷劇の人気がないのでこういった宣伝展開になったのでしょうか。興行成績のためとはいえ、これでは期待はずれに感じる人も多いのでは?「この映画はホラーではない、実話である」なんてキャッチコピーでさりげなく言い訳してるのは、ちょっとズルイ気がします。

 言い遅れましたが、『エミリー・ローズ』は優れた作品なので、法廷劇だと分かって観れば損はしない映画です。レビューも書いたので、本作に興味がある方はそちらも読んでくださいね!

『エミリー・ローズ』レビューを読む

エミリー・ローズ (竹書房文庫)

エミリー・ローズ (竹書房文庫)