のび太くん、宿題はおわったのかい?

あんりみてっど - ドラえもん、ついに最終回
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 昨日のエントリーでも書いたのだけど、上記のリンク先で紹介されていた『ドラえもん』の最終回を読んで、泣いてしまいました。
 念のために書いておくと、もちろん本家の『ドラえもん』ではありません。詳しくは知らないのですが、口頭で広まっていた都市伝説的な最終回を書き起こした同人誌らしいです。いわゆるパロディ版です。
 実は本家の『ドラえもん』にも最終回はあります。てんとう虫コミックスドラえもん』6巻に収録されている「さようならドラえもん」です。最終回に関する事の顛末は故藤子・F・不二雄先生のインタビューで知ったのですが、なにぶん読んだのがかなり前なので、詳細は失念してしまいました。とりあえず藤子・F・不二雄先生は、「さようならドラえもん」を最終回として書いた筈です。そこで一度連載終了になったのですが、人気が高かったため再開を果たしたらしいのです。
 「さようならドラえもん」も傑作で、涙なしでは読めません。藤子・F・不二雄先生らしい、やさしさに満ちた作品になっています。
追記: 「さようならドラえもん」は、最終回として書かれた話ではない。という説もあるようです。)
以下パロディ版のネタバレ有り

 パロディ版の最終回も原作への愛を感じる傑作だと思います。しずかちゃんをちゃんと「しずちゃん」と呼んでいたり、アニメではなく原作に近いのが気に入りました。
 『ドラえもん』の一番の疑問点である、ドラえもんが過去に干渉することを、タイムパトロールが許している矛盾を上手く説明できていますね。ドラえもんが過去に戻ることは、最初から「歴史」に定められていたことだった、だからドラえもんだけが過去に居ることを許されている、という解釈は良いですね。藤子・F・不二雄先生の大傑作シリーズのSF短編集を思わせる展開です。
 何重にもプロテクトがかかっていてわからない設計者とは、もちろんのび太でしょう。タイプパラドックス関連の物語で定番の「タマゴが先か、ニワトリが先か」という矛盾が起きていますが、これは時間と人知を超えた存在がドラえもんのび太の二人を引き合わせたと思いたいですね。運命の出会い…嗚呼、やっぱり泣けるよ!これ。
 それにしても本作の作画は、藤子・F・不二雄プロよりも藤子・F・不二雄先生に近い気がします。書いた人は只者じゃありませんね。一体どんな人なんでしょうか?

 著作権の話はさておき、原作『ドラえもん』で泣ける話に共通する「のび太が純粋な目的のため、ひたむきに頑張る」一連の物語の系譜のひとつとして数えたい、良作だと思います。

ドラえもん 6 (てんとう虫コミックス)

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