『海辺のカフカ』村上春樹(ほんのりオチバレ)

 随分前に買ったまま、ほったらかしていた『海辺のカフカ』を読了しました。ゆっくり読もうと思っていたのですが、ぐいぐい惹きこまれ一気に読んでしまう。うん、やっぱり村上春樹さんの作品は面白いな!
 村上春樹さんの小説の中で、私が一番好きな『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』とかなりの共通項がある『海辺のカフカ』。そして、同じく『世界の〜』と重なり合う要素が多い『ノルウェイの森』。これら三つの作品で、言わば三部作のようになっていると私は感じました。興味深いのは「僕」の着地地点が三者三様なこと。『世界の〜』は「内」に。『海辺のカフカ』は「外」に。そして『ノルウェイの森』はその「中間」に。これは私の個人的な解釈ですが、三作品をすべて読んだほうが理解が深まるのは間違いないと思います。
 ちなみに「面白い!面白い!」と読んだわりには、私はこの作品を不思議と今一つ好きになれませんでした。
 書評コンテンツに村上春樹さんの処女小説『風の歌を聴け』のレビューを掲載しているので、よければそちらも読んでってくださいね!

海辺のカフカ (上) (新潮文庫)

海辺のカフカ (上) (新潮文庫)